デリヘル嬢と呼ばれて

デリヘル嬢と呼ばれて
私が『デリヘル』所謂デリバリーヘルスの世界に居たのは、5年前でした。

デリヘルは、待機場所に出勤して指名やフリーで要請があればお客様の居る場所に行き、本番行為以外のサービスをする仕事です。

各店で、場所の指定はあると思いますが、私が在籍していた店はシャワーがある所ならどこでもOKでした。

自宅やラブホテル、店と提携しているレンタルルーム

お客様が経営している会社の事務所なんて言うのもありました。

初めて仕事が入った時は緊張し過ぎて吐き気を催す程で、身体はガチガチで手足は震えていたのを覚えています。

きっとそれは、今までいた世界とは全く違う、風俗と言うピンク色の世界に足を踏み入れようとしている後悔や躊躇、恐怖心との葛藤で硬直してしまったんだと思います。

いざお客様の待つラブホテルへ向かう前に送迎してくれた店のスタッフに

『恋人に会ってイチャイチャすると思えば大丈夫。』

と励まされましたが、心臓は早く打ち続けていました。

ドアの向こうに居たのは、新人キラーと呼ばれる中年男性で、とても紳士的に笑顔で部屋に招き入れてくれたので、構えていた私の心が和みました。

時間の連絡やサービス前のシャワーなど、頭が真っ白で何をどうして良いのか分からない私を中年男性が最後まで優しく手解きしてくれたので、何とか初仕事は無事に終わり待機場所に戻る事が出来たのです。

店のシステムで、仕事が終わったら即精算なので50分程度のサービスで数千円が渡されたのです。

複雑な気持ちでした。

嬉しいとか次の仕事への意欲とかも無く、ただ無の気持ちでした。

男性の性欲を満たす仕事ですが、様々な事情を抱えた男性も多かったです。

全身火傷の男性

車椅子に乗ってる男性

高齢者

性癖が特殊な人

女性と経験のない人

など本当に十人十色。

それらはきっと、この世界に居なければ見る事も経験する事も出来なかった部分だと思います。

高額な報酬を貰っているのだから、それに見合った『癒やし』を提供しよう!と意気込んで仕事をしていましたが、中々奥深くて満足行く仕事は出来なかったです。

ピンク色の世界から足を洗って数年経ちましたが、今は経験して良かったと思っています。

性的なテクニックの知識も得られたし、男性の隠れた性癖や満たされない気持ちも勉強できたし、下着などにも気を使うようになったので私はデリヘルをしていた事は後悔していません。

他人には話せない秘密として、デリヘル嬢と呼ばれていた過去は、今も大切に胸に閉まっている思い出です。

Copyright© www.viapc-1.com